イントレピット 椙山卯太郎の航跡〜②

1982年6月23日イントレピットの進水式、神主さんの元、安全航行を祈った。とにかく頑丈に。どんな波にでも耐えられるようにと思いを込めて作った船は、既製品よりも1トンオーバーの重量となった。船は色とりどりのフラッグで飾られお祝いムード。豪華な食事がテーブルに並べられ、酒も用意された。せーの!で海に飛び込む。バシャーン!たくさんの笑顔に迎えられた進水式であった。

制作作業は1日3時間、週5のペースで着々とすすめていった。材料にはチークやケヤキを使用。エンジンボックスを取り外せばエンジンが全て見られるよう、メンテナンスにも考慮した。涼をとる窓、湿気対策など経験を元に形にしていく。

後の航行中に990mbの低気圧に襲われ、30m/sの風、5m超えの波の中、ハーフオーバーを5回喰らった。船はびくともしなかった。この事実は、頑丈さにこだわって制作した自分の判断が間違っていなかったことを証明してくれた。自信と満足感に浸った瞬間であった。

1982年11月21日 4kt うす晴

横浜市民ヨットハーバー出港 出航後ログの調子が悪くなり三崎漁港で交換

1982年11月22日 3.9kt E 2m/s 曇晴

大島波浮へ。195度へ変針 気圧が下がってきている

1982年11月24日 4.35kt SW 16m/s 晴

八丈島神湊入港。八重根漁港を視察。北海道沖に発達した低気圧が停滞し、北日本では冬型の気圧配置、八丈では北西の風が吹きつける。漁船もすべて港内待機。気仙沼の漁船に夕食と酒をご馳走になる。カレーライス、カジキのトロおいしい。

1982年11月27日 4.5kt NW 10m/s 快晴

ログ故障。ベヨネーズを通り過ぎ、須美寿でアビーム。マグロが一匹つれた。

1982年11月29日 7.62kt NE 10m/s 晴

北ノ島より父島二見港へ

1982年11月30日 うす曇 船内大掃除

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